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 大して、反応を期待していたわけじゃないのだけど。
 からかい半分の気持ちで、この日を祝ってみた。
 出来合いのチョコレートだけど、包装にちょっとだけアレンジをした。
 買うときの気恥ずかしさは、君の反応でチャラにしてあげるよ。
 渡す直前まで秘密にしてた。
 どうやって渡そうか、考えてた。
 色んなステップはもう踏み越えてるのに、今更こんなことしたら君はどういうんだろう?

 「シェゾ」
 「あん?」
 「甘いもの嫌いじゃないよな」
 「なんだ、その微妙に甘いもの好きなのが決定にされた問いかけは」
 「これやるよ」

 差し出した、紺の包装紙に包まれた小さな箱。
 紺はシェゾをイメージしたつもりなんだけど、我ながらこの日に相応しくないような気がしてきた。
 時期と俺の問いかけの所為か、シェゾはすぐに察したような顔になって、小箱を受け取った。

 「…チョコ?」
 「あたり」

 俺は笑った。
 シェゾの呆然としたようなリアクションは想像の範囲内。
 それから、付けたし。

 「ずっと好きでした。 付き合ってください」

 シェゾの蒼い目が俺を見つめる。
 俺は、ちょっと笑った顔で見返した。
 ん、と笑顔を浮かべると、シェゾは吹っ切れたみたいに大笑いする。

 「バカだろ、お前」
 「うん、かもね」
 「かも、じゃなくて大バカ」
 「かもだよ。失礼だな」

 何かコメントがほしいと目で言うと、涙すら浮かべた笑った目でシェゾが応える。

 「実は俺も好きでした」

 俺は噴出した。
 まさかそう来るとは思わなかったから、不意打ちだった。

 「まあ、貰っておく。 中身はチョコなんだろ?」
 「うん。チョコ。板チョコとかじゃないから少し味わって食ってくれよ」
 「へーへー」

 シェゾがチョコの入った小箱を手のひらで弄ぶ。
 顔に浮かぶのは、笑顔だった。

 「ああ、シェゾ」
 「何だよ」
 「ホワイトデーのお返しは3倍ね」

 それも、マシュマロじゃなくてアメで。
 俺が真面目な顔で言うと、シェゾはまた笑った。
 まだ笑う。 今度はさっきよりも長く笑った。

 「お前、バカだろ」
 「うん、そうかもね」

 俺はただ笑ってそう返した。



 /* Fin */

 管理人より>>
 更新をとの声が高まる中、ようやく!やっと!久々に!
 なんかバカップルっぽいラグシェUP!
 なんかもうシェゾさん笑わせすぎてこっちが怖くなってきたよ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
 数日遅れのハピバレ!

 PCUP=2006/02/21

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