ラグシェなラグさんとシェゾさん。


 「なあ、大好きって言ってみないか?」
 ラグナスはベッドで傍らに寝ている恋人に問うた。
 案の定恋人は、「あぁ?」と不機嫌そうな声で返答する。
 「大好き。」
 「…。何の意味があんだよ」
 面倒臭そうに己の方を振り返る恋人に、ニッコリ笑いかけた。
 「愛情確認」
 「今ヤってたばっかじゃねえか…」
 「それとコレとは違うんだよ」
 「…。そうかよ」
 『ねーぇー』と、自分に圧し掛かってくるラグナスに、恋人はオゾン層に穴が開きそうなくらい大きな溜息を吐いた。
 多分3つくらいは開いたかも知れないと思う。
 それでも、発声する。求められた言葉を。
 「…大好き、だ。」
 「…。俺も」
 どうせ言わなきゃ降りないのだ。
 ならとっとと言ってしまえと思った。
 恥ずかしがっていればこいつはいつまでも調子に乗るし。
 「シェゾ、…大好き」
 「…うるせ」
 それが例え本音でも。


 NEXT─




 シェラグなシェゾさんとラグさん。


 「…ラグ…。大好き、って、言ってみろ?」
 ソファで伸び伸びとして読書をしている恋人に、愛称を呼びながら問う。
 「…」
 きょとんとするラグナスに、シェゾは真剣な目で繰り返した。
 「大好きって言ってみろ」
 「…?…大好き」
 「もっと」
 「大好き。…大好き…だけど?」
 どうかしたのか、と首を傾げる。
 シェゾは少し唸って、ラグナスの座るソファまで移動するなり、唐突にラグナスを抱き込んだ。
 「うわっ!?」
 「もう一回」
 「こ、この恰好で…?」
 「…もう一回。だ」
 「……」
 驚く自分をよそに繰り返し言うシェゾに、恋人は少し頬を染めた。
 それにシェゾがくすりと笑みを浮かべたのも気がつかない。
 ラグナスはす、と息を吸い、大きく吐きながら瞳を閉じて、要求どおりに言う。
 「大好き、…大好き…大好き……」
 「…」
 満足気に、シェゾは愛しいという代わりに腕の中の青年を抱き締めた。


 NEXT─




 DシェシェなDシェゾさんとシェゾさん。


 「シェゾ…」
 「あー?」
 「俺が好き、か?」
 かちゃん、と、シェゾの持っていた食器が落ちる。Dシェゾはそれに眉根を寄せた。
 「シェゾ…?」
 「お、前、食事中になに言い出すんだよっ!」
 げほげほと咽る。
 Dシェゾはその背中を撫でてやりながらまた繰り返した。
 「俺が好きか、と訊いた」
 「…それにどう答えろってんだよ」
 「好き、とか、大好きとか」
 冷静に述べる。シェゾは軽い眩暈を感じ、ちろりと横目でDシェゾを見やった。
 紅い瞳は、じっと待っている。
 その様子が、まるでお預けを食らった犬のようで、シェゾは思わず噴出してしまう。
 「…何が可笑しい」
 「あ、あァ、悪ィ…。…何でもねえ」
 「…で?答えは」
 くく、と、いつまでも喉を鳴らしているシェゾに、Dシェゾはやっと答えを急かした。
 シェゾはそれでも笑いながら、
 「大好きだな…」
 そう言ってまた笑った。


 NEXT─




 DシェラグなDシェゾとラグさん


 情事の後の怠惰な時間を、二人してベッドで寝転がって過ごしていると。
 「…なあ…ラグナス」
 ふと、恋人が名を呼んできたので、ラグナスは「ん?」と即座に反応した。
 「…大好き」
 「ぇ…?」
 「…お前が、大好き…だ」
 改まって、いきなり何を言う。
 ラグナスは真っ赤になって対応に困ったように口をパクパクさせる。
 Dシェゾが、じっと見つめていると、ラグナスは根負けしたように苦笑を浮かべた。
 「…俺も、君の事が大好きだよ…」
 「…そうか」
 するり、とラグナスの腰を撫でて頬にキスをして、Dシェゾは口元に笑みを浮かべた。
 「んっ…、Dシェゾ、その手つきやらしいよ…」
 「気のせいだろう…?」
 「嘘だ…。絶対嘘だ!」
 「…そこまで言うか。またベッドに縫い付けるぞ…?」
 すぅっと目を細めて笑うDシェゾの瞳に、本気の色を見た恋人はぶるんぶるんと首を振ってまたそこへ落ち着いた。
 勿論その後も撫でる手は止まらず、耐え切れなくなったラグナスが強請ったのは言うまでもなく。
 結局言っても言わなくても縫い付けられる羽目になったのだった。
 「…こんなのってないよ…」
 

 NEXT─




 ラグDシェなラグさんとDシェゾさん


 「Dシェゾはさー?」
 「ん…?」
 「俺の事好き、だよね?」
 本から一向に視線を上げないDシェゾに、ラグナスはそれを覗き込むようにしながら問うた。
 「ああ…、…うん」
 一応、という返事を返し、すぐに意識を本に戻す。
 「…」
 ラグナスはその本を取り上げて、Dシェゾの顔を見つめる。
 Dシェゾは本を取られてやや不機嫌そうな顔をしながら見つめ返した。
 「返せ」
 「俺の事大好きって言ってくれたら返す」
 「…」
 面倒臭そうな表情で、Dシェゾは溜息を吐く。
 「…返せ」
 「言ってくれなきゃやだ」
 「…まったく…。…大好きだ。…ほら、これでいいのか?」
 「だめ」
 す、と本を背中に隠す。
 Dシェゾはその様子に少々呆れながら、椅子に座りなおして体勢を正し、まっすぐにラグナスを見つめた。
 「…大好き。」
 「…はいv」
 よくできました、と続けながら、本を手渡す。
 Dシェゾは、やっと手元に戻った本に軽く息を吐き。
 ラグナスは嬉しそうにしながらその隣の椅子に腰かけた。




 END



 管理人より>
 めっちゃ疲れた…(ぉい)
 大好き、をテーマにうちのメインCPを書いてみました(笑)

 PCUP=2004年7月11日

 モドル
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送