修羅となった己でも、未だに人を想うという事が出来たのか。

 己の欲の為、幾つもの命を食い荒らしてきた鬼が

 想い焦がれ、月を見上げて吠える。


 ナゼ、イマサラ


 ドウシテ、イマサラ


 コノヨウナ想イヲ


 イダケルノカ




 己は鬼である。
 いいや、鬼などまだ可愛らしいものかもしれない。
 己は修羅である。
 いいや、修羅などまだましなものかもしれない。

 己は闇そのものかもしれない。

 それなのに、人を恋しく想い、恋焦がれるなど、一体自分はどうしてしまったのか。

 
 お前に会いたいと

 お前の声が欲しいと

 お前の温もりが

 お前の笑みが見たいと


 馬鹿な子供のように、駄々をこねる子供のように。
 俺は今宵も、瞼の裏にお前を描く。


 俺が手を伸ばせば易々壊れてしまう、お前は飴細工。


 だからこそ抱きしめて俺のものにと願うのは、酷いことだろうか。


 お前を知るまではこんな夜はなかっただろう。


 俺は吠える。
 鬼が吠える。
 


 人知れない想いを

 熱を

 狼の遠吠えのように。


 オマエガホシイ



 オマエノスベテガ



 月に吠える。
 人の想いでなく


 人を想う鬼の詩を。




 /*Fin*/
 アトガキ>携帯16800斬番=シェゾが誰かを想うもの
 嵐歌さんリクエストありがとうございました。
 唄とあったので小説ではなく詩というかいや詩ですらありませんがこのようなものになりました。
 というか管理人はシェゾ=鬼とか獣とかそういうのが好きらしいです。

 UP=2006/06/24

 ブラウザバック推奨

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送