ひらり ひらりと
 舞い遊ぶように俺の目の前に現れた
 その人の姿が未だに瞼に残る。


 
 手が届かないのに欲しいと思うことは
 とても愚かしい事だと思ってた。



 ひらり ひらりと
 舞い遊ぶように現れすぐ消えた
 あの人にはもう手が届かない。



 ひらり ひらりと
 落ちる、葉が
 一瞬季節外れの蝶に見える。



 そんなにも自分がロマンチストだとは思ってもいなかった。
 思わず零れる自嘲に目を閉じるとまたあの人の姿が浮かぶ。
 
 よしてくれ。
 恋する乙女でもあるまいし、アナタの事しか考えられないとか、そんなの恥ずかしすぎる。
 
 ああでも、乙女かはともかく。もしかしたら俺は恋をしているのかもしれない。
 だからきっと柄にもなくこんな、落葉の日にセンチメンタルな気分になったりするのかも。
 
 
 歩きながら落葉を蹴飛ばして、散らした。
 かさかさ渇いた音を立てて落ち葉が舞い上がる。
 尽きることを知らないような落葉に、俺は高い空を見上げた。



 手に入らないアナタ。
 手の届かないアナタ。
 俺が醜くもがくのをアナタは気付いているだろうか。
 高い場所にいるアナタ。





 あなたに逢えた それだけでよかった
 世界に光が満ちた
 夢で逢えるだけでよかったのに
 愛されたいと願ってしまった
 世界が表情を変えた
 世の果てでは空と海が交じる





 永遠に届かないカタオモイ。
 永遠に実を結ぶことの無いコイ。
 知っていて諦めない。
 愚かだというのは知ってる。
 笑いたければ笑えばいい。
 だってこのキモチは理屈じゃないんだ。
 


 空を舞い遊ぶ落ち葉を一枚捕まえて
 そっと祈るように口付けて
 好きだよと
 せめて今だけ呟かせて。



 強風に、落ち葉を放つ。
 天高く風にあおられていくそれを見送った俺の顔が
 どうか微笑んでいますように。


 
 そしてまたサクサクと、俺は地に積もった落ち葉を蹴散らすようにしなが歩き出す。
 


 ひらり ひらりと
 舞い遊ぶように俺の目の前に現れた
 アナタの姿が未だに瞼に残っている。
 諦め悪く。
 俺はその残像に口元を緩く釣り上げた。

 きっと数ヵ月後には忘れている一時的な感傷。
 だって今は人恋しい秋だから。
 だからきっと冬や春が来れば
 きっと

 もう、こんな風に空を見上げてアナタを想ったりはしない。
 落葉に蝶のようなアナタの姿を重ねたりしない。










 *END*

 管理人より>はい訳解りません(待て)
 とりあえず片恋物語&秋の落葉と言う事でー。
 作中にポルノの「アゲハ蝶」をイメージしてややフレーズをお借りしてみたり。
 お相手はセルフサービスー。(死)

 Song By.ポルノグラフィティ

 PCUP=2004年10月20日


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