とおを数え終わるまでに、この虫が鳴き止まなかったら、アイツに会いに行こう。
涼しげな青い眼をした、闇の魔導師。
ひ。
ミンミンと外が煩い。
Dシェゾは畳に自堕落に転がりながら天井を見上げていた。
暑い。コレが夏か。
最低限の装備は解き、いつもしているグローブもとった。
堪え切れず胸元も肌蹴させているのだが噴出す汗は止まりそうも無い。
ふ。
バンダナも外して放り投げる。
蝉とかいう虫ははまだ煩い。
み。
寝返る。
汗が落ちる。
気持ち悪い。
よ。
いつ。
む。
なな。
や。
ここのつ。
蝉はまだ煩い。
汗も引かないし、暑いのには変わらない。
うんざりとして目を閉じると、目の中まで暑くなる気がする。
瞼の裏の闇がこれほど鬱陶しいと思ったのはこれが初めてだ。
これが夏か。
初めて体験する、四季。
夏は好きになれそうにないと、Dシェゾは内心で辟易した。
とお。
蝉は鳴き止まない。
「……」
のそ、と起き上がる。
放り投げたバンダナや装備をかき集めて身に纏い、塒である廃墟を出た。
「…暑いな」
呟きは蝉の声に呑まれた。
とおを数え終わっても、あの虫は鳴き止まなかったから、アイツに会いに行こう。
涼しげな青い眼をした、神を汚す華やかなる者。
**END**
管理人より>
Wシェゾ様同盟規約(?)10か条達成おめでとう御座いますv小説。盟主様にプレゼントしました。
えー、内容から解るように、夏に書いたものです(爆)
訳が分からない内容になっておりますが大目に見てくださいませ(ぉい)
PCUP=2004年11月2日
モドル